絵板04(2003)




■虫捕り少女
「ミイラ取りがミイラに」
なんて良く言ったもんだわ

私はただ昆虫採集に行っただけ
でも深いところへ、深いところへと足を踏み入れたら
自分の居場所が分からなくなった
虫は一向に集まらない

行ってはいけないと思っていても
どうしても森の奥へ、奥へと進んでしまう
分かってはいるのに

虫なんて一匹もいないって分かっているのに
それでもおくへ、とおくへ

先刻から誰かに見られているような気がする
追っているのではなく、追われているような気がする
でもそんなことは分かっているのだ
分かってはいるけど、上を向いたら、
後ろを振り返ったら、それは私の負け
その存在を認めてしまうことになるから

その手は私の手
私を取って捕まえて、
殺してしまおうなんて考えている
標本室の一番目立つ壁に、
私のアタマにピンを刺して、
「輝かしくも愚かだった私」という名前をつけて、
飾っておこうって思っている
だから私はそれに気付かぬ振りをして、
いるはずもない虫を追い続ける

虫は一向に集まらない




■神の啓示
その瞬間、私は神の啓示を受けたのです。




■ああ
耳から血が出そう。










■しむら
うえ、うえ!




■サウスポー




■本当はね、
姉を殺したのはこの私なんですよ。




■本当はね、
山田さんを魔女裁判にかけたのはこの私なんですよ。




■私はもう
死んでいるはずなのに、これからどうしようというの?
どこを見ているの?

そんな重く腐った体はもう使えないのに。




■チクタク
12進法の悪夢